リーマンパッカーが50歳でセミリタイアを目指す

妻子ありでセミリタイア。高配当株、ETF、米国株、FXなどに投資しつつ、ネット副業で暮らすことを目標とするブログ。

人手不足の波が、ほんのちょっと職場に押し寄せてきた件

人手不足

最近、会社で非正規雇用の方が、相次いで辞めています。正社員での就職先が見つかったから、ということです。

そのため、我が部署は人が足りなくなってきました。

人手不足の波が、少しずつ私たちの職場にも押し寄せてきています。

ロスジェネ世代が巣立っていった

ほんの半年前まで、私の部署には、正社員のほか、2人の契約社員と1人の派遣社員がいました。契約社員は男女1人ずつ。派遣社員は女性です。

契約社員というのは、私の部署の場合、業務委託契約で、法的には請負です。時給アルバイトの人が長く続けると、会社はこうした契約形態にするよう求めてきます。

 

男性の契約社員は30代後半で、いわゆるロスジェネ世代です。

仮にA君としましょう。A君は一流私立大学の大学院を出ていますが、正社員として就職はしたことがありません。学生時代にアルバイトで私の勤める会社に来て、そのまま契約社員になって今に至りました。

A君の仕事は、正社員のアシスタントです。

 

A君は優秀でした。

人なつこく、実務能力も優れていて、コミュニケーション力もあります。プレッシャーには弱そうなのでノルマ系の仕事には向きませんが、そうでなければたいていの仕事はこなせそうです。

そんな彼がこれまで就職できなかったのは、ロスジェネ世代の厳しさでしょう。

 

数年前から、A君は正規雇用を強く望むようになりました。

しかし、私の会社では、契約社員から正社員への登用はありません。そのため、社外での就職活動を開始しましたが、なかなかうまくいきません。

 

ところが、この夏に、A君はある企業から内定を得ることができました。大学院卒業後、十年以上を経て非正規から卒業です。

正社員のサラリーマンは、いいことばかりではないですが、彼が正規雇用で就職することは、やっぱり祝うべきことでした。実際、職場の全員が祝福し、彼を送り出しました。

「30代職歴無し」が就職できる時代

そして私は、このときひそかに、世間の人手不足の深刻さに気づきました。

A君がなかなか就職できなかったのは、「30代で正規雇用の職歴なし」という経歴が不利に働いていたからだと思います。

そういう人は、能力以前に門前払い、というのが数年前までの日本でした。

 

しかし、いまや「30代職歴なし」でも、就職できる時代になったのです。

 

これは世の中の人手不足が相当深刻なのだ、と、世情に疎い私でも実感するのに十分でした。

人手不足の波が、ほんのちょっと職場に押し寄せてきたのです。

後任はなし

となると、残った女性の契約社員も、時間の問題ではないか、と思いました。

 

彼女をBさんとしましょう。

Bさんは30代前半で、ロスジェネ世代とゆとり世代の狭間の「名前のない世代」です。就職が大変だった時代に大学を卒業したのは、ロスジェネ世代と変わりありません。

彼女も、アルバイトから契約社員になりました。

 

Bさんも実務能力は高く、わりと美人です。第一印象で冷たい雰囲気があり、就職活動では、そこが不利に働いたのかもしれません。

しかし、仕事ができることは周囲がよく理解していましたので、彼女も望めば、どこかの会社に正規雇用で飛び立っていくだろうことは想像できました。

 

そう思ったので、A君の就職が決まった後、私は管理職に「A君の後任を探した方がいいんじゃないですか?」と伝えました。

A君が去った後、Bさんにまで辞められたら、現場が回らないからです。

しかし、管理職は「新しい人を入れたくても、重役の許可が下りないんだよ」とぼやきました。人件費を抑えるためです。

私は「経営陣は、まだ状況を理解していないのか」と思ったものです。

そして誰もいなくなる

案の定、Bさんも、最近、就職が決まりました。同業他社の中堅企業から内定をもらったとのことです。3月には、契約社員を辞めるようです。

 

ということで、私の部署で、契約社員のアシスタントが、全員いなくなってしまいます。

 

管理職は、頭を抱えています。

派遣社員の方は残りますが、仕事は一般事務で、アシスタント的な仕事はしません。

アシスタントの仕事は重要で、しかも面倒くさいことばかりです。正社員がやりたがらない、細かく数字にも表れない仕事を陰で支えていてくれています。

そんな存在のアシスタントが全員いなくなってしまうというのは、かなりの問題です。

 

彼女が去ってから、現場をどう回すのか。

優秀な縁の下の力持ちをすべて失って、これからこの職場は大変だなあ、と思います。

 

誰か新しい人を探して入れたとしても、その人が優秀とは限りません。

そもそも、このご時世に、非正規雇用で、収入もいいとはいえない契約社員に誰が応募してくるのか

 

今後、おそらくは、アシスタント的な仕事を、社員で分担することになります。

一昔前なら、そういう仕事を若手社員に押しつけることができたかもしれませんが、いまの職場は、若手社員の数も少なく、貴重な若手に無理はさせられません。

いずれにしろ、今後、社員の負担は増えていくでしょう。

 

大変だなあ。

 

でも、私は半分ひとごとです。

だって、私もその後を追うように辞めるのですから。

 

思うのは、これからは、どんな会社も、人を大切にしないと次々と辞めていくということ。

とくに、30代以下の若手は、各社取り合いであること。

 

私の勤める会社は人気企業とされてきたので、そういう認識が欠けているのです。

代わりの人などいくらでもいる、と思っている気配がありました。

 

でも、そんな時代は終わったのですね。

世の経営者たちは、こうした事実をしっかり認識すべきなのでしょう。