日産自動車の高配当は、やっぱり危うい気がする
この命題に関するネット上の議論が面白いですね。
ただ、いろんな可能性があるものの、結局は、現在の日産経営陣が、ルノーとどこまで戦争をする覚悟あるのか、ということに帰結すると思います。
そんなの、外部からわかりません。
ひとつ意外だったのが、ゴーンの解任が、取締役会で全会一致で可決されたことです。
ルノー出身役員も同意したというのは、結構重いことです。
理由はわからないですが、ゴーンの所業が桁違いでひどかった、ということなのでしょう。
日経でも、そう書いています。
「あまりにもひどい」。目を通し終えた取締役は自分の目を疑った。
それにくわえて、私の想像ですが、ここでゴーンをかばったら累が自分にも及びかねない、と、ルノー出身の役員が判断したのかもしれません。真っ白な経営者なんて、ほとんどいないでしょうから。
「会社のカネで住宅を買った」レベルで逮捕になるなら、日本で逮捕される人だらけです。
検察に言いがかりをつけられて身柄拘束を食らう可能性を考えれば、ゴーンを守るよりも、自分の身とルノーの利益を守るために動くでしょう。
もう一つ、昨日までの報道で気になったのが、ゴーンの報酬に株価連動部分があったということ。それが結構大きな比重になっていたようなんですね。
「日産の株価に連動して役員報酬を得る制度です。株そのものを渡すというわけではなくて、株価が設定した価格から上昇した場合に、その差額を受け取る権利が役員報酬とされているのです」
「ゴーン容疑者にもこの権利が与えられていたが、有価証券報告書には記載されていなかった。その額が、2011年3月以降で約40億円相当に上るとみられている」
これだけ巨額なオプションが設定されているなら、ゴーンは自分の報酬を増やすには株価を上げればいいわけです。それが日産の高配当の大きな理由だったのかもしれません。
つまり、高配当はルノーのためではなく、ゴーン自身のためだったと。
ならば、ゴーンが解任されたら、高配当方針も変わる可能性があります。
日産とルノーの関係がどうなるかわかりませんが、今回の件で、ある程度ルノーも日産に対して譲歩しなければならないと思うのですが、配当を下げるくらいなら、受け入れやすいことでしょう。
となると、株主の最大の関心事である日産の配当金額は、やっぱりこれから下がっていくのではないでしょうか。
まあ、こんな小説みたいな話、私の想像の域をはるかに超えていますので、どうなることやら。