マンションの区分住戸が「所有者不明」になったらどうなるのか
「所有者不明土地」が問題になっています。
相続時に登記されないなどの理由で、所有者がわからなくなってしまった土地が全国各地にあり、自治体関係者などを悩ませているのです。
さらに深刻になりそうなのが、マンションです。
マンションの区分住戸で、所有不明が起きたらどうなるのでしょうか。
マンションは人ごとではない
所有者不明土地については、『人口減少時代の土地問題』に詳しく書かれています。それによると、全国の所有不明の土地を合わせると、九州の面積を超えるそうです。
ただ、さしたる土地を私も親も持っていないので、正直、人ごとでした。
しかし、この記事を読んで、少し自分ごととして考えるようになりました。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53207
一軒家ならばまだいい。今後さらなる問題を引き起こすのは「マンション」だ。築数十年も経てばマンションは老朽化し、修繕や建て替えが必要になってくる。 もしこのとき分譲されたマンションの所有者が数十戸単位で所在不明になっていたら、その合意はどうやって行うのか。想像するだけでも恐ろしい。
確かにそのとおり。
他人の一軒家が所有者不明になっても、自分には関係ありませんが、自分が所有するマンションの区分所有者が、不明になってしまったら、どうなるのでしょう。
管理費や修繕積立金は不払いになり、そのツケは私を含めた他の区分所有者に回ってきます。
さらにいえば、老朽化による建て替えの際には、大きな問題になるでしょう。
マンションの建て替えには、全区分所有者の5分の4の同意が必要です。
これだけでもハードルが高いのに、所在不明者が数十戸単位で出てきたら、建て替えもできない袋小路に陥ってしまいます。
投資用マンションが危ない
いちばん危ないのは、やっぱりワンルームを中心とする投資用マンションでしょう。
借り手が付かないほど古くなってしまった時期に、所有者が死亡してしまうと、相続登記が行われずに放置される可能性があります。
そんな区分所有者が複数出てきたら、建て替えもできない袋小路マンションになってしまいます。
リゾートマンションもやばいですね。
所有者家族が住んでいないマンションは、危険です。
都内にある、立地条件のいいファミリーマンションは、まだマシだと思います。
でも、ワンルームやリゾートマンションは危険がいっぱいです。
投資として買ったら、後で怖いことになりそうです。