日本は資本家には優しいけれど、「稼ぐ労働者」には厳しい
日本の税制は、資本家に対しては優しいですが、「稼ぐ労働者」には厳しいです。
こういう日本で税金と巧く向き合うには、「資本家」か「あまり稼がない労働者」になるほかありません。
高所得サラリーマンに増税
政府が、また増税をします。
年収850万円以上のサラリーマンが増税になる、来年度の税制改正案が固まりました。
高所得のサラリーマンが狙い撃ちです。
しかし、皆さんご存じのとおり、この層はすでに税金をたくさん払っています。
それは、所得税の累進税率を見れば明らかです。
所得税の累進税率
所得 税率
195万円以下 5％
330万円以下 10％
695万円以下 20％
900万円以下 23％
1,800万円以下 33％
4,000万円以下 40％
4,000万円超 45％
この重税感
所得900万円以下の税率23%くらいまでは、まあそんなものだろうという気もするのですが、900万円を越えて33%となると、かなりの重税感があります。
というのも、この33%というのは所得税だけの話で、住民税と社会保険を合わせると50%くらいになるからです。
給与所得控除があるので、そのまんま年収に対して50%ではありませんが、4割くらいは持っていかれる感覚です。四公六民です。
江戸時代かよ。
能力が高いサラリーマンが副業までやると、年間所得1,800円を超える人もいるでしょう。
そういう人は本当に収入の約半分を持っていかれます。
五公五民です。
一揆を起こしてもいいレベルです。
これだけ稼いでいる人は、努力しているのは間違いありません。左うちわで1800万円稼いでいるサラリーマンはほとんどいないでしょう。
知恵を回し、死力を尽くして働き、そして得られた富の半分を召し上げられるのです。
労働者に厳しく、資本家に甘い
このように、日本の税制は、「高所得の労働者」に苛烈です。
一方、「資本家」には甘いです。
資本家の収入の多くは株の配当をはじめとした金融収入です。
しかし、上場株式の配当には、ご存じ申告分離課税が適用され、税率は20.315%にすぎません。
住民税も含まれてこのお値段です。しかも社会保険料にこの所得は反映されません。
なんて、お得なんでしょう。
つまり、一生懸命働いて、死力を尽くして高所得を得た労働者には、五公五民で苛烈な年貢を負わせるのに、株の配当など左うちわで高所得を得られる資本家には、二公八民と優しいのです。
結局、日本は資本家に甘く労働者に厳しい国なのです。
しかも、能力が高く勤勉な労働者に、ことのほか厳しいのです。
資本家になるか、稼がない労働者になるか
今回の税制改正で、年収850万円以上の労働者は増税となります。
現在でも一番過酷な税を負担させられている高所得者層のサラリーマンに、さらに税を掛けるわけです。
私もこの層に含まれますが、私も私の周囲で働く人たちも、みんなこの税金にうんざりしています。
だって、少々頑張って査定があがったり、ボーナスがもらえても、たいして手元に残らないのですから。
結局、こういう日本で税金と巧く向き合うには、「資本家」か「あまり稼がない労働者」になるほかないのでしょう。
日本は、資本家に対する税金は相対的に安いですし、低所得者に対しては比較的優しい国だと思うからです。
というわけで、サラリーマンを続けてがんばって稼ぎ続けるのは、もうやめよう。
これから私は、配当収入をメインにした「小さな資本家」と、少しばかりのアフィリエイト収入で暮らす「あまり稼がない労働者」のミックスで生きていくつもりです。
続きを書きました。
