リーマンパッカーが50歳でセミリタイアを目指す

妻子ありでセミリタイア。高配当株、ETF、米国株、FXなどに投資しつつ、ネット副業で暮らすことを目標とするブログ。

セミリタイアをするなら「自分の会社」を作ろう

会社イメージ

セミリタイアに備えて、私は自分の会社を作りました。妻が社長、私が役員の会社です。資本金は100万円です。

会社を作ったのは、5年前です。

アフィリエイトの利益を移す

会社を作った直接的な目的は、アフィリエイトの利益を個人所得から分離するためでした。いわゆる「法人成り」というやつです。

アフィリエイトの利益を法人に移すことで、個人の所得税率が上がらないようにすることができますし、計上できる経費の幅も広がります。

 

自分の所得が見かけ上増えないため、勤務先に副業がバレる可能性も小さくなります。勤務先に副業がバレるのは、納税額が変わることが原因の一つだからです。

 

いわば、節税と副業バレ防止という、二つの目的で「自分の会社」を設立したわけです。

いわゆる「週末起業」ともいえます。

 

【参考書はこれ!】

自分が属する団体として

直接的な目的はその二つですが、隠れた目的として、「セミリタイア」がありました。

セミリタイアは、完全リタイアと違い、完全に働かなくなるわけではありません。

サラリーマン退職後も働き続ける以上、働く自分が属する団体として「自分の会社」を作っておこう、と考えたのです。

「自分の会社」なら節税ができる

セミリタイアをする人が「自分の会社」を持つことには、いくつかのメリットがあります。

最大のメリットは、節税です。

事業や投資で得られた収益を、家族に給与として分散できるので、所得税率を抑えることができます。

給与所得控除が使えることもメリットです(これはまもなく廃止されそうですが)。

 

また、法人なら、株式投資とFXや不動産投資などの損益を合算できます。

株では損失が出ていて、FXで利益が出ている場合、個人では損益を合算できず、FXの利益が所得として計上されてしまいます。

しかし、法人名義で投資をすると、決算時に損益を合算できます。

FX、不動産、アフィリエイト、輸入代理など、法人の事業として行っているものは、すべて損益を合算できます。それにより、余計な税金を払わずに済みます。

 

自宅を法人名義にすれば、社宅として自分に貸すこともできます。これにより、建物の減価償却費を費用計上できます。

私の場合、現在の自宅マンションを法人に移すことまでは考えていませんが(面倒くさい)、今後、二地域居住などで物件を購入する場合は、法人名義にしようと考えています。

 

また、新聞図書費や、通信費、交通費、交際費などを経費に計上できます。

このあたりは、一定の割合で、すでに法人経費として計上しています。

私は日経を購読していますが、これも当然法人の経費にしています。

 

ブログの記事に絡めれば、家族旅行を「出張」とすることだって、できなくはありません。その際に非課税の日当を支払うことも可能です。

最近私は、旅行と関係ないブログに家族旅行の記事が出てきたら、「税金対策だな」と想像するようになりました。

所得を証明できる

所得を証明できることもメリットです。

個人が株式投資などで、申告分離課税にしていると所得に反映されませんが、法人成りして役員報酬をもらう形にすれば、所得証明に反映されます。

そのため、公的な収入証明が必要な場合に、他者に収入額を示すことができます。

クレジットカードの審査も、楽勝で通るようになります。

健保・厚生年金に加入できる

意見は分かれるでしょうが、健康保険や厚生年金に加入できることもメリットかもしれません。

健康保険と厚生年金の金額は、びっくりするほど高額です。

サラリーマンは、半額を勤務先が負担してくれるのでそれほど感じないのですが、「自分の会社」では、全額を実質的に負担しなければなりません。ですので、負担感がハンパなくなります。

そのため、法人成りした場合の最大のデメリットとして、こうした社会保険料負担の増大を挙げる人もいるほどです。

 

しかし、扶養家族がいる場合は、話が少し変わります。

扶養家族がいる場合、世帯あたりの健保・厚生年金は、国保国民年金に比べて負担が極端に大きいわけではありません。

保障は健保・厚生年金のほうが手厚いので、負担額がそれほど変わらないのに、保障は手厚くなります。(ケーズバイケースですが)。

健保・厚生年金は、建前上は強制加入で、保険料も高いので「そんなもの加入したくない」という人にはデメリットにもなり得ますが、私はメリットと考えます。

 

かつて、友人の司法書士が、サラリーマンの私に対して「厚生年金入っているんだよね、うらやましいな」と呟いていたのを、忘れられません。

私は勤務先を退職したら、自分の会社で、健保・厚生年金に加入するつもりです。

「会社経営者である」という気分

こうした実務的なメリットとは別に、個人的に大きいのは、心理的なものだと思います。

自分は会社経営者である」という気分は、なんとなく気持ちいいものです。

毎年の決算は自分の成績表みたいで、良くても悪くても、仕事のモチベーションに繋がります。

外部に対しても、「会社経営」という、組織に紐付いた肩書きは、社会的信用を確保するのに活用できます。

デメリットは「面倒くさい」

法人を持つことにはデメリットもあります。

なにより、いろいろ面倒くさい、ということです。

 

たとえば、法人になったら、複式簿記で帳簿を付け、毎年決算書を作らなければなりません。

私は、最初の2期は勉強のため自分で決算書を作っていましたが、とても面倒なので、3期目からは日常の経理とともに、税理士に頼みました。

税理士費用が、当然かかります。

こうした費用も含め、会社を維持するためにはコストがかかります。

たとえば法人税の均等割など、「会社を持っているだけでかかるお金」も必要になります。

こうしたコストは、少なくとも年間20~30万円にはなります。

 

したがって、セミリタイア後の事業で、それなりの利益を得られるメドが立っていないなら、「自分の会社」を持つ意味は小さくなります。

「ほとんど何もせずに暮らしたい」という、完全リタイアに近い人の場合は、法人なんてあっても邪魔なだけでしょう。

 

また、株しかやらないなら、個人で源泉分離課税にしてしまったほうがラクだと思います。

法人にお金が貯まってしまう

最後に、仮に上手に節税できたとしても、お金は法人に貯まるだけです。

法人のお金は法人のお金であって、個人のお金とは異なります。

それを自分のお金に移すには、役員報酬として自分に支払わなければならず、そのときに所得税がかかります。

そうなると、せっかくの節税に意味がなくなってしまいます。

合同会社で十分

法人を作る手続き自体は、それほど複雑ではありません。

とくに、合同会社なら、ほぼ全て自分でできるでしょう。

 

「自分一人の会社」なら、合同会社で十分です。

 

私が持っているのも、合同会社です。

 

いまのところ、代表(社長)は妻です。

これは、自分が代表になると、登記にその旨が掲載されてしまうので、副業バレ防止のために、妻を代表にしています。

勤務先を退職したら、自分が代表になる予定です。

【参考図書はこれ!】

 

資本金はいくらでも構いませんが、対外的な信用を考えれば100万円くらいでいいと思います。

セミリタイア後も、何か活動をしたいと考えている人は、合同会社を「自分の会社」として、設立しておくといいと思います。