私がJT株を買わない唯一にして最大の理由
JT株がブームです。
株価が3000円近辺まで下落し、配当利回りが5%に達したからです。
いまどき、5%の配当をする大型株はなかなかありません。
そのため、高配当株投資家の話題を集めているようです。
タバコが大嫌いだから
私も高配当株に分散投資しています。けれど、JT株を買う気はありません。
その理由は簡単です。
タバコが大嫌いだから。
感情的な理由だけで買わないのではありません。
タバコが嫌いな私は、タバコ産業が先細りであることを、容易に理解できるからです。
衰退産業の最たるものであるタバコ産業に投資する気は起きない、ということです。
喫煙率は低下中
国内の喫煙率は、年を追うごとに低下しています。
さらに、オリンピックを控え、飲食店の禁煙化が進めば、もっと喫煙者は減るでしょう。
肌感覚でも、喫煙者は本当に減りました。
私が社会人になった頃は、職場のデスクでタバコを吸うのは当たり前で、喫煙しない私は、その環境がとてもイヤでした。
当時の男性喫煙率は60.4%、女性喫煙率は13.3%でした(JT調査、以下同)。
男性に限れば6割が喫煙者で、タバコを吸うのが当たり前だったのです。
それが、職場のデスクで喫煙が禁止になり、喫煙スペースが設けられ、だんだん喫煙スペースの数が減っていき、喫煙スペース自体が迷惑施設とみなされるようになり、いまでは、社内での喫煙所は1箇所だけになりました。
この喫煙所も、やがて消えると思います。
非喫煙者が多数派に
いつの間にか、社員でも非喫煙者が多数派になっています
最新の男性喫煙率は28.2%、女性喫煙率は9.0%です。東京都内では、もう少し低いでしょう。
私の勤める会社では、たぶん喫煙率10%程度だと思います。
特に、若い社員で喫煙者は本当に少なくなりました。
JTのデータを見ても、喫煙率が低い年代は、20代と60代以上です。かつては20代の喫煙率がいちばん高かったのに、いまは逆なのです。
加熱式タバコは広まるか
最近は、加熱式タバコのプルームテックに力を入れているようですが、この普及も難しいと、私は考えています。
なぜなら、格好悪いから。
かつて若者がタバコを吸っていた理由の一つが、格好良さ、というファッション性だったと思うのです。
しかし、加熱式タバコを吸っている姿は、はっきりいって間抜け。格好悪いです。
ニコチン中毒のおっさんが、燃焼式タバコから加熱式タバコに変える、という需要はあると思います。
でも、まったくタバコを吸ったことがない若者が、いきなり格好悪いプルームテックを吸うか?と思うわけです。初期費用高いし。
高配当を維持できるのか
こうした状況からして、今後、JTが成長するとはとても思えません。
海外のたばこ会社を買収したりしていますが、たばこ規制は世界的で、海外でたばこ産業が伸びるとは全く思えません。
たばこ以外の事業多角化でも、成功しているようにはみえませんし、この会社、将来どうなるのでしょう?
JTは国が大株主ですので、配当をして国庫に上納金を納めなければなりません。そのため、減配リスクの低い会社です。
だとしても、こんな絵に描いたような斜陽産業の企業が、将来的に現在の配当を維持できるのか、と考えたときに、怪しいとしか思えません。
仮に減配となれば、株価は暴落するでしょう。
ということで、私はJT株を買う気にはなりません。