ドル円の方向性がわからない件
今年のFX取引は不調です。年初から現在までの利益は、元本の1%程度。吹けば飛ぶような薄利です。
不調の理由は、わかっています。為替の大きな流れがつかめないから。とくに、ドル円相場の方向性が、どうにもわかりません。
購買力平価なら?
私のドル相場観は、「長い目で見れば円安」です。
為替は国力を表し、長期的に日本が衰退傾向なのは明らかなので、基本的には円安に向かうという考え方です。
金利差もあります。日本が低金利を脱することは難しく、比較的金利の高い通貨にお金が流れるのは自然です。
そこへ、こんな記事がありました。
20年前の1998年当時に1ドル=140円前後だった為替レートは最近は110円前後。円高に進みはしたが物価差から計算すると90円台前半でもおかしくなく、米ドルの価値の相対的な下落(円の価値の相対的な上昇)は為替レートに十分反映されていない。米国を旅すると物価の割高感に驚くのはこれが背景だ。 物価差を考慮した為替レートが実質レート。かみ砕いて言えば、例えば物価差からは本来3割円高になるはずが2割しか円高になってないなら、実質レートは差し引き1割の円安になったとみる。
購買力平価で考えれば、日本はもう十分に円安である、という理論です。
海外旅行を趣味にしている人間なら、この理屈は肌で感じられるでしょう。
為替レートはそう変わっていないのに、海外に行くたびに、物価の高さを感じるようになってきた。
外国はインフレ、日本はデフレ。それを考慮すれば、現時点でも十分日本円は安くなっている、ということです。
円は最安通貨?
長期的に円が安くなっていく、という私の相場観が間違っていなかったとしても、円安にはやっぱり限度があります。
日本は依然として世界最大の債権国であり、それが円安の大きな歯止めになるからです。
上記の記事はこう続けます。
日本の実質実効レートが過去最大級に円安方向に乖離(かいり)した15年の6月、黒田東彦日銀総裁が「ここからさらに円安に振れることはありそうにない」と発言したのもそういう文脈とみられている。今も水準はかなり低いままで、みずほ銀行の唐鎌大輔氏は「円は実質実効レートでみて主要国の最安通貨」と指摘する。
2015年円安の天井は125円前後です。これを当面の円安の限度という仮説です。これはこれで説得力があります。
「125円天井説」が正しいなら、現在の110円前後の水準は、FX取引をしづらい為替水準です。
円を売っても、天井が近い分、大きな値幅が取れないからです。
逆に、円を買うほどの、円高の勢いもありません。スワップ的にも円買いは不利です。
円高、円安のどちらにいっても天井が近く、トレンドもよくわからない。
まあ、私の弱い頭では、こういう相場は読めないですね。
相場を読むのが難しいときは、積極的な売買をしないことです。
サルでもわかるくらい、トレンドが明白なときもありますから、そういうタイミングが来るのを待ちましょう。