22歳で就職してしまったことを、49歳になって考える
私は現役で大学に入学し、留年も休学もせず、4年で卒業しました。就職してサラリーマンになったのは22歳のときでした。
長期旅行をしたかった
私は大学時代にバックパッカー旅行にハマりました。
とはいえ、学生には講義があり、期末試験がありますから、長期旅行はできません。
旅といっても、1~2カ月が限度です。
そのため、いつか長期の海外旅行をしたいと考えるようになりました。
インドあたりで「沈没」し、アフリカで「停滞」したかったのです。
休学を考えた
しかし、終身雇用制度が一般的な日本で、一度就職をしてしまったら、長期の海外旅行をするのは困難です。
そのため、休学して1年間、海外旅行をしようとも考えました。
ただ、父は、当然、私が4年間で大学を卒業するものだと思っていました。
18歳で大学に進学したとき、「仕送りは4年間だけだぞ」とも私に告げました。
国立大学だったので、休学すれば学費はかかりません。
しかし、4年での卒業を期待している親に対しては、多少のプレッシャーを感じていました。
就職するチャンス
好況という時代背景もありました。
私が就職活動をした1991年は、後から振り返ればバブルの絶頂は超えていたものの、依然として好況感は残っており、人手不足の時代でした。
つまり、就職するなら今がチャンス、というのは事実でした。
そのため、私は、とにかく就職活動をし、「希望の会社から内定がもらえなかったら、休学しよう」という結論を出しました。
憧れの会社に入れるように挑戦してみて、ダメなら海外旅行しよう、ということです。
今から考えれば、バブル的な、お気楽な大学生だったと思います。
とりあえず就職してみた
バブル期でしたので、就職活動はわりと簡単でした。
そして、自分の能力では難しいかな、と思っていた企業から、複数の内定を貰うことができました。
本当の第一希望には入れませんでしたが、自分の能力には過分な人気企業に入れていただけることになり、しかも、複数の会社から選べる立場になったわけです。
気分をよくした私は「とりあえず就職しよう」ということで、22歳の春に、サラリーマンになりました。
退職して旅行するつもりだった
就職してからも、私は長期旅行の夢をあきらめたわけではありませんでした。
実際、お金が貯まった30代に、退職し長期の海外旅行をするつもりでした。
それをしなかった理由は、以下に書いています。
悪くない選択だったが
自分の人生を振り返れば、一番最初に、希望の企業に入って仕事をしたことは、悪くない選択だったと思います。
どのみち仕事をしなければ生きていけないのですから、するならば、好きな業界の上位企業で仕事をしたほうが、気持ちよく職業人生を歩むことができるからです。
休学しておけばよかった
とはいうものの、やっぱり休学しておけばよかった、とも思います。
幸いにして国立大学で、休学に学費はかからないのですから、生活維持に必要なのはアパート代くらいです。
バイト代が高かった時代ですし、休学して、7~8カ月のバックパッカー旅行をすることは可能だったでしょう。
7~8カ月では陸路の世界一周は難しいでしょうが、インドやアフリカくらいなら行けたと思います。
休学していたらどうなっていたか
1年卒業が遅れても、翌年の就職活動で大きなハンディにはなりません。
私の卒業した翌年からいわゆる氷河期が始まりますので、その意味では、休学していたら希望の企業に入れなかったかもしれませんが、まだまだ余裕のあった時代です。
どこにも就職できないような仕儀にはならなかったでしょう。
つまり、1年休学したところで、その後、悲惨な人生になったとは思えないのです。
むしろ、海外放浪の経験を活かして、もっと仕事の視野が広がっていたかも知れません。
振り返れば、22歳の自分は幼稚だったと思います。
休学と長期旅行を経て、23歳で就職したら、違う視点で仕事を選んでいたかもしれない、と思う部分もあります。
22歳にアドバイスするなら
結局、私は「現役ストレートの国立大学卒」という経歴で社会人デビューしてしまいました。
この無傷の経歴が、20代の半ばくらいまでついて回り、知らぬ間に自分が縛られていた気もします。
いま、もし22歳の人にアドバイスするとしたら、「留年や休学、浪人くらい好きなだけしなさい」ということでしょうか。
20代でしかできないことは、20代にきっちりやっておく。
お金のことなんて、後できっとなんとかなるものです。