退職通知後、仕事へのモチベーションが劇的に低下する件
私は20代の頃、一度転職をしています。
そのときは、退職2週間前に退職届を上司に提出し、さくっと辞めました。2週間前というのは、民法上、次のような規定があるからです。
第627条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
つまり、会社を辞めるには、2週間前までに通知すればよい、と法律で決まっているので、その通りにしたわけです。
2週間がしんどかった
退職通知から退社まで、わずか2週間。この2週間ですら、仕事に身が入らず、つらかったのを覚えています。
退職を通知してしまうと、仕事に対するモチベーションが、もうどうしようもなく、劇的に失われてしまいます。
これまで普通にこなしていたちょろいルーティンワークですら、かったるくなります。
退職を決めると、なぜこんなにまで仕事のモチベーションが低下するのか。
私がそれを理解したのは、いまの会社に勤めてからです。
仕事を全うする責任がなくなる
いまの会社に入ってしばらくして、私は人事異動の内示を受けました。そのときは、仕事量がとんでもなく多く、気が張って日々頑張っていたのですが、内示を受けた途端に、全てがどうでもよくなりました。
それまでは、「しんどいけれど、まあ、やろう」と思っていたことが、「しんどくてやる気にならない」となってしまったのです。そうすると、後回しにできる面倒な仕事は本当に放置するようになります。
私がこのとき理解したのは、職業人というのは、与えられた仕事を全うする責任を負っている状態でのみ、モチベーションが維持される、という事実です。
異動を命ぜられたということは、現在与えられている仕事を全うしなくていい、と会社から言われたも同然ですから、結果としてモチベーションが失われてしまうのでしょう。
退職後は責任を問われない
人事異動の場合は、仕事が変わるとはいえ同じ会社なので、放置した仕事に関しては、異動後もある程度の責任を取らなければなりません。にも関わらず、これだけやる気がなくなるのです。
会社を辞めたら、それまでの仕事を放置していたとしても、後で責任を取る必要はありません。不法行為をしていたら別ですが、「面倒だから後に回した」程度のことは、退職後に責任を問われません。
簡単にいえば
後は野となれ
で済むので、退職通知後の仕事への意欲の低下が、著しいのだと思います。
倒産企業の従業員はエライ
たまに、倒産した企業で、破綻後も顧客のために仕事を全うする従業員がたたえられることがありますが、マジでスゴイと思います。
最近でいえば、てるみくらぶの倒産後に、顧客対応をしていた社員とか、本当に偉い。私なら、苦情とわかりきっている電話なんて出たくないし、外国で置き去りになってしまいそうな人の救出とか、絶対やらなければならないこと以外は、やらないと思います。
逆にいうと、倒産企業の従業員に対し、「きちんと対応せい!」という顧客は、何もわかっていないと思います。苦情と分かっている電話に出るだけでも、その従業員は素晴らしいと思って、褒め称えるべきだと思います。
2ヶ月前告知が規則に
話を戻すと、私は自分の経験から、退職通知から実際の退職までの期間は、短ければ短いほどいいと思っています。
辞めると言ったら、なるべく間を置かずに辞めるべし
というのが、私の経験則です。
ところが、今勤めている会社では、退職時には2ヶ月前までに告知しなければならない、という就業規則があります。
民法は就業規則に優先しますから、こんな規則は無視して2週間前告知でもいいのですが、揉めて辞めたくもありませんし、規則は守ろうと思います。
人事異動のタイミングにあわせて告知し、有給消化を使いながら、モチベーション低下期間のしんどさを、最小限にしたいと考えています。