北大教授の年収973万円って、安い気がする
北大法学部の吉田広志教授のツイートが話題です。
ツイッターで自身の2017年の源泉徴収票を公開し、支払総額が973万6254万円、手取りは695万2828円とのこと。
平成29年の源泉徴収票が送られてきました。
— 吉田広志 (@takabee1970) 2018年1月18日
大学が私に支払った総額 9,736,254円
社会保険料その他で差し引かれた額 2,437,918円
所得税(源泉徴収) 609,800円
したがって、いわゆる「手取り」は6,952,828円です。
47歳国立大学教授の手取りは約700万円。高い?安い?こんなもん? pic.twitter.com/i5PB2pam2k
ネット上では「高い」だの「安い」だの、意見があるようです。
私の印象としては、旧帝大教授という高い立場を考えれば、ちょっと安い気もします。
「高い」わけがない
年収973万円が、国民の平均所得と比べて「高い」と言っている人もいるそうです。
日刊ゲンダイでは、以下のような記事が。
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/221991
そもそも、国税庁の調査(16年度)によると、民間の給与取得者の平均は421万円。国立大のセンセイ方は、やはり結構もらっている。
おいおい……、
いちおう国立大教授という高学歴の人間を捕まえて、学歴無関係な民間の給与所得者平均と比べたらアカンやろ。
旧帝大程度の大学出身の民間人(給与所得者以外も含む)の平均所得と比べないと。
日刊現代もさすがにそう思ったらしく、以下のように続きます。
東洋経済オンラインが昨年、上場企業(約3600社)を対象に独自に推計した「40歳年収『全国トップ500社』ランキング」によると、40歳の平均年収が1000万円を超えたのは35社。(中略)まあ“47歳北大教授”の年収は、上場企業の上位数%に入るぐらいのレベルとみていい。
そういう比較なら、まあ妥当という印象ですね。
個人的感覚では、旧帝大の教授が年収1,000万にもいってない、というのは、ちょっと少ない気がします。
だって、旧帝大の教授って、なかなか、なれないよ。
手取り年収700万円ということは、月給の手取りが40万円くらいでしょうか。
大勢の大学ゼミのメンバーを率いる立場なら、もう少し使えるお金が欲しいだろうな、と思います。
ゼミ生に奢ったりしなければならんだろうし。
ただ、札幌なので生活費は東京より安いから、その点は考慮しなければいけないか。
なら、ちょっと安いけれど、まあ妥当と呼べる範囲内でしょうか。
なんとなくですが、北大教授47歳なら税込み年収1,200万円くらいが妥当かな、と思います。
思いっきりイメージだけですが……。
少なくとも、高くはないよね。
高いと叫んでいる人は、いったい何と比較しているのでしょう。
有名私大でも大差ない
日刊現代には、以下のようにも書かれています。
有名私立大の中には、1500万円とか2000万円を超える教授もいます
これは、そういうスター教授もいるのでしょうが、ちょっと盛りすぎな印象も。
45歳教授のモデル賃金で、早稲田大学が1276万円、慶應大学が1186万円。
55歳教授で早稲田が1,398万円、慶應が1360万円
というデータがあります。
http://heikinnenshu.jp/komuin/kyoju.html
45歳1,200万円、55歳1,400万円というと、早慶レベルの学歴のサラリーマンなら標準よりやや上程度なので、教授職の価値を考えたら、そんなものかと。
札幌と東京の住居費の差を考えると、北大と早慶の教授の給与は大差ないと思います。
いずれにせよ、研究者は、20代はほぼ無給なので、それを考慮したら45歳1,000万円くらい払わないと、かわいそうな気がする。
本当に仕事のできる、トップレベルの教授なら、この給与は安いですよね。
問題があるとすれば、そこじゃないでしょうか。
仕事ができる研究者には、もっと払ってあげようよ。特に理系は。そうしないと海外に流れていってしまう。
しかし一方で、「金が欲しいなら学者なんかになるな」という気もします。
学者という仕事を選んだ以上、必要以上の金を求めても仕方がないのではないかな、と。